若者が損をする、搾取され、もらえない年金制度でも良いじゃん
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最終更新日:2015/12/10
日本の世の中に蔓延る社会問題
年金自体がすでに破綻しかけているというニュースや記事はたまに見ていて、将来的にもらえる金額が減り、支給開始年齢も上がる見通しだということが言われています。つまり、若ければ若い人ほど、どんどん損をしやすい仕組みになっているということです。それは賦課方式(厳密にいえば修正賦課方式らしいが)といって、現役世代の若者が納めた保険料と税金で年金を支給しているから。税金分は良いとしても、これを自分、または自分たちの世代が払った保険料をもとに将来自分が貰う年金支給額が決まる積み立て方式にすれば、その不公平感もなくなるのでしょうが、現在の状況だと、相対的に若者よりも高齢者の方が得をする。その現象は以降どんどん続き、後に続く若者ほどどんどん損をするシステムになってしまっているのです。
年金保険料を払わない若者は多い
サラリーマンをやっている人は、強制的に払わされているが、そうじゃない人、フリーター、自営業、ニートなどの人、これらは払わない選択肢が一応ある。そして、実際に彼らの多くは払っていないと思う。払う余裕がないというケースもありそうだが。若者ほど非正規率が高いので、年齢が低ければ低いほど、年金保険料を払っていない可能性が高い。私もその1人だ。というか、正確にいうと、私の分の年金保険料は払っているが、私は払っていない状況らしい。どういうことか?というと、私は少なくとも払っていない。それはもらうつもりもないし、もらいたいとも思っていないから払っていないのだが、気付いたんだけど、親が代わりに払ってくれていたらしい。個人的には嬉しいような嬉しくないようなという微妙な感じです。それは、親がずっと生きているわけじゃないし、親が死んだら、保険料は払われないから、それまで払った分が無駄になるから。親が死んだら、その後を自分で払い続けない限り、年金は貰えない。そうなると、払った分が完全に無駄になる。私は今のところは払う気がないので、このまま行くとムダになる可能性が高い。そう考えると複雑ですね。
実際、年金保険料を払っていない人の気持ちは、同じような感じではないか?と思う。1つは給料が少ないので、余裕がなくて払えない。もう1つは年金に対する期待が薄れ、信頼を寄せられないから払わない。この2つは私は両方当てはまりますね。だから、払っていないという人は多いのでしょう。ただ、流れは案外重要かもしれない。というのも、今の制度だと高齢者に支給される年金の財源の多くは若者の払った保険料であって、それが少ないと今の高齢者の年金に大きな影響が出る。実際、ネットで調べてみると、保険料を払わない若者への怒りを表した投稿とかも散見されているので、今の制度自体は単純に損をしやすい若者だけじゃなくて高齢者にも回りまわって影響があるということ。つまり、今後は若者が損をするだけじゃあなくて、その損をする若者が保険料納付のサボタージュをすることによって、高齢者も結局損をする世の中になるかもしれない。すると、国民全体が今の年金制度に対して反対の姿勢をして、制度が変わるかもしれない。そういう圧力を生むかもしれないのです。
若者が損をし、高齢者が得をする世の中はダメなのか?
上記の結果は、起きる可能性があるというだけであって、起きるか?どうかは別問題ですけどね。ここで1つ疑問が沸く。高齢者が相対的に得をし、若者が損をする世の中と言われている。それは年金だけじゃなくて、それ以外の部分でもそうです。そういう世の中はダメなんでしょうか?何でダメなんでしょうか?というのも、世の中っていうのは、基本的に多数者に有利に作られています。日本が資本主義国であるのもそれが理由でしょう。つまり、社会主義にすればとりあえず全員は救われるが、資本主義の方が得をする人が多い。その分、死ぬ人は窮状に陥る人が出てくるわけだが。でも、結果的に社会主義よりも資本主義の方が得をする人が多いから、日本は資本主義国なんだろうし、その状況に文句を言う人は少ないわけだよね。つまり、多数決で世の中の仕組みが決められている。全部が全部そうとは言わないが、そういう側面は多い。裁判や法律とかでも「社会通念上」という言葉が使われるわけ。これは一般的に判断して(つまり世の中の多数が賛同するか?否か?)ということであり、社会通念上OKなものは法律でもOKになる。つまり、多数決で多数のものは法律も裁判所も保護するが、少数派のものは保護しないとなっている。実は世の中の仕組みはほとんどが多数決で決まりやすく、実際にそうなっている。
高齢者が相対的に多数派になれば、現状は肯定されやすい
例えば、ベーシックインカムについて議論しても、BIがあれば、現在貧困に喘いでいる人、その日暮らしをしている人などは大分救われる。そういう事実は多くの人は知っているはず。でも、反対する人がいる。それはいくらそういう人たちが救われるといっても、自分たちが損をするかもしれない負担が増えるかもしれない政策には反対だ!ということでしょう。それは社会主義に反対する理由と似ているが、ベーシックインカムを導入しないと困り続ける人ひる一方だが、自分は少しでも損はしたくないという気持ちがあるからではないでしょうか?つまり、現状で死んでしまう人や貧困に喘ぐ人は圧倒的少数派だから無視して良いや!という気持ちが少なからずあるのでは?と思います。実際、こういうことを主張している人、そういう理由でベーシックインカムに反対している人は大勢いると思うが、その中にはいわゆる若者も含まれている。しかし、彼らが現状の年金にシステムに文句を言っているとしたら、それは些かおかしいと思う。それは若者の数はどんどん減っていき、時代が進むに連れて高齢者ばかりの世の中になっていくことは恐らく必至です。そうなると相対的に少数派になる若者が損をする当たり前じゃないか?世の中の仕組みがそうなっているのだから。ベーシックインカムや社会主義という思想は、ある種の弱者に配慮した考えとも言えると思うが、それがない人は弱者は見捨てて良いという考えなのだろうから、年金だって相対的に弱者になる若者が損をするのはごく自然のことであり、文句を言うのはおかしい。世の中には「常識」というものがあって、常識は多数決で決まる。常識を守らないものは叩かれる。年金制度にしたって、若者が損をし、高齢者が得をするシステムになっているのがもはや伝統になっており、常識にもなっていると思う。今は分からないが、高齢者が数で相対的に若者を凌駕する時代がくれば、高齢者が得をし、若者が損をする社会に賛成という声が反対を完全に上回りそうだし、完全に数で圧倒される日がきそうです。そうなれば、もはや世論としても、若者がかわいそうだという方向に持って行くのも困難になり、今と同じ状況は引き続き継続されてしまう可能性が高いでしょう。
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