頑張った人、努力をした人が報われる社会なんてありえない
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日本の世の中に蔓延る社会問題
日本は資本主義社会の国ですから、競争が奨励されていて、競争に勝ったものが富み、負けたものは奪われる、または何も手に出来ないという2面性を有しています。それが当たり前だという認識の人も当然いるでしょう。多くの人は「努力をしたものが報われる社会になるべきだ!」という認識を持っていると思うし、それが資本主義社会なんだろうと考えているかもしれない。資本主義社会は努力をしたものが勝っているのだろうか?もっと言うと、ちゃんと努力した量に比例して、富が分配されているのか?それは違うと思う。資本主義社会であっても、努力したものが報われる社会になっていないと思います。それはいろいろな理由があると思うので、それを1つ1つ以下で説明していきたいと思います。資本主義社会はやっぱり惨いです。
報われるのは努力した人ではなく、結果を残せる人
努力だけが認められるのはある種中学生くらいまで。と言われることもあると思いますけど、少なくとも社会人になれば、努力しただけではどうにもならない。結果を出さないといけないのです。100の努力をしても、30しか結果を残せないのなら、それに応じた富しか手に入らない。逆に10の努力しかしていなくても、100の結果を出せれば、それだけ多くの富が手に入る。当たり前の話だけど。じゃあ、その差はどこで生まれるか?というと、才能なんですよ。才能っていうのは、ある種勝手に備わったものということができると思うから、個人の努力とは関係ない部分です。そうなると才能があるか?ないか?またはそれを見つけられるか?というのはほぼ運になる。じゃあ、例えば努力量は同じなのに、生まれる成果に差が出る人というのは、運だということになります。
それはスタートラインにも差があるということも言えると思います。例えば、貧乏な家に生まれるのと裕福な家に生まれるのでは、スタートラインが間違いなく違うじゃないですか?そういった個人の努力の量では何ともしがたい部分は往々にしてある。運要素が往々にしてある。人生は運ゲーだといわれることがあるが、それもあながち間違っていないと思います。よくフリーターとか、派遣をやっている人が生活が苦しいというと「甘え」とか言われることがあります。生活保護を受給したりする人も動揺の言葉を浴びせられる。要は社会的弱者は総じて「甘え」と罵られる。「甘え」という言葉の裏には「頑張りが足りない」とか、「努力が足りないだけだろ」という意味も含まれていそうだけど、今説明したように、努力をしている、していないの問題じゃないんだよ。努力が足りないというのが正論だとするならば、じゃあ成功者は全員失敗した人よりも努力の量が多いし、怠けている人は1人たりともいないということになるが、それはないと思う。
全員同じだけの努力をしても、全員が同じだけの恩恵には与れない
そもそもね、世の中の椅子やポストは数に限りがあるのだから、全員が同じだけ努力をしたとしても、全員が同じだけの椅子やポストには就けない。=全員が同じだけの報酬を得たり、生活水準を維持するというのは不可能なんです。全員が同じだけの努力をしても、結果差が生まれる。その差を生む差というのは何か?というと、「才能」という言葉で表される部分だと思います。普通の人間ならば、誰でもやろうと思えば容易にできる行動を努力と呼び、人によって差が生まれてしまう行動を才能と呼ぶのが妥当だと思いますけど、差を生む原因はやっぱり才能なんだと。努力でどうにかできる部分は全員同じだったとしても、運用その才能がそれに優劣を付けて、結果にも差が生まれる。だから、非正規で働く人が生まれてしまうのは、甘えでも何でもない。勿論、努力が足りないという人も中にはいると思うけど、全員がそうじゃない以上、彼らにそんなことを言っても、それは正論じゃない。全員が同じだけ頑張っても全員は正社員になれないのだから。
だから、スタートラインも違うし、各自が乗っている才能という名のバイクの性能も違う。その中で頑張った者が報われる社会が良いといっても、結果的に報われたものが頑張った者か?どうかは分からないのです。本来はそういった各人の違いを社会保障、再分配政策、セーフティネットなどでカバーして、是正していくことが望まれると思うのだけど、それも日本の場合はうまく機能しているとは思えない。努力した人が、ちゃんと頑張った人が報われる社会というのは、資本主義社会では実現不可能だと思う。無論、努力してもそれが還元されない社会主義の社会でも不可能だと思うけど。そういう世の中を踏まえて、各人が頑張る、頑張らないにかかわらず、一定の所得保障はされるべきという「ベーシックインカム」の考えに私は賛同なのです。
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