「ニートは社会のクズ」とかいう主張は正当性がまるでない
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現代の日本人の働き方
ニートの人たちは社会の中から卑下されている。叩かれやすい存在です。無職の人の中でも、特に叩かれやすいかと思います。それは働く意欲を持っていないから。この世界で、働かないというだけでまるで人間扱いされない。非常に酷い仕打ちを受けるという側面を持っているのです。彼らが言うのは「ただ働け!」というだけ。それだけ言って、じゃあ雇ってくれるか?といったら、そんなことはない。ブラック企業だろうが、なんだろうが、とにかく働け!というだけです。こういうことを言うのは日々大変な思いをしている「社畜」と呼ばれるような労働者だと思いますけど、この対比も凄いですよね。一切働かないニートと死に物狂いで働く社畜という極端の二極化の構図もこの問題を深刻化している気がする。働くとなると、社畜みたいに過酷な毎日を送らないといけない人生になっちゃう可能性があるのなら、じゃあニートやってた方がマシだよね。という気持ちも分からないでもないですね。
憲法の「勤労の義務」は国民に課された義務ではない
そもそも、何で世の中の人たちはニートに対して、このような暴言を浴びせるのでしょうか?1つ単純な答えは「労働が国民の義務」だと思い込んでいるということです。憲法に「勤労の義務」があるから、それで働かないことはおかしい。ニートの奴らは憲法違反だ!ということをワタミのあの人なんかも言っていましたが、これは正しくない。憲法を勉強する前の私も同じようなことを思っていた可能性はありますけど、憲法を勉強したので、そんなことはもう言わない。憲法というのは、そもそも何のためにあるんですか?これ答えられますか?憲法というのは、国民のために作られたんですよ。それは強大な権力を持つに至った国が好き放題暴走して、国民の権利侵害などを未然に防ぐため。よく独裁国家みたいなのがありますけど、ああいった国民が国家によって虐げられる状況を防ぐため。憲法によって、国がしても良いことに制限をつけたのです。つまり、憲法が縛るのは国家であり、国民ではありません。勤労の義務が憲法に書いていても、それは国民が働かないといけない義務ではありません。だいたい、憲法の勤労の義務をを根拠にするなら、専業主婦やその他の働かない人も叩かないとおかしい。
ニートは働きもせずに税金だけを食いつぶしている
これも言われているニートへの批判ですね。ただ、これも何が悪いのか?よく分からない。税金を食いつぶしているのはニートだけですかね?ニートは働いていないから、それだけ所得税等の税金を納める金額が少ない。にもかかわらず公共財や公共サービズを利用しているから、税金を食いつぶすだけだ。だから社会にとってはマイナスの存在なんだ。ということを言いたいのかもしれないが、彼らだってモノを消費していれば当然税金は払っているし、その他の機会でも払っているでしょう。他の人よりも払っている税金が少ないというのは言えるかもしれないが、それを言うのなら所得の少ない人は全員叩かれることになる。アルバイト、パート、派遣の人はまさにそう。正社員だって、月収20万円の人は月収100万円の人に「もっと働いて税金納めろ!」と叩かれることになる。働いていようが、働いていなかろうが、自分より上の収入を得ているには叩かれてもしょうがないということになってしまいますけど、それで良いんでしょうかね?
これは「社会貢献」の意味で言っている人もいるかもしれない。要はニートはだらけてばかりで、社会に貢献しない。それは私は偏見だと思いますよ。全てのニートがそうだとは思わない。働いている人だって、働いて所得の一部を税金として納めているのは良いかもしれないけど、違法労働に有無を言わさず働き続け、後発の労働者の職場環境を悪くしている。そして、製品等を作って、人々を喜ばすのは良いが、それによって一部では迷惑をかけている面もある。ビール製造会社はビールという嗜好品を提供して、人々を喜ばせながら、飲酒運転を誘発し、または酒によって道端で寝たり、吐いたり、暴力をふるったりする人を作り、その点に関しては社会に迷惑をかけている。ニートは普通にニートとして生きているなら、社会に迷惑はかけていないと思いますけどね。犯罪を犯しているわけでもないので。ニートは社会にとってマイナスではなく、プラマイ0だと思いますけど。あと、専業主婦がニートと違うのは夫や子供のタメに家事をしており、家族を支えているから。と言われることがありますけど、じゃあニートだって創作活動をして、世の中の誰かを喜ばしているだってたくさんいると思う。専業主婦もニートも誰かの役に立っている、社会貢献しているという面は十分見出せるし、賃金を貰っているか?いないか?の差でしかない。ニートが社会にとってプラスという面も導き出せると思いますけど。
ニートは与えられた社会のルールの中で賢い生き方をしてるだけ
あと、先ほど働きもしないで、税金を食いつぶすような生き方を批判している人がいるということを書きました。それの何がいけないんですかね?ダメって人は一体、何を根拠にしているのかな?ニートがそういう生き方をするのは、それが明らかに自分にとって有利だからじゃないですか?要は自分が払うコスト以上にリターンを受け取る。それの何がダメなんでしょうか?企業だって、労働者だって、それやってると思うし、人間であれば誰もがそう行動すると思うんですけど。それが合理的だからでしょう。それは犯罪ではないでしょ?ニートが自分の好きなように生きている。一方、自分は毎日過酷な労働に勤しむ毎日、ニートは楽しているというイメージで、その対比から嫉妬心もあるのか?なんとなくニートがむかつくから叩いている連中だけのようにしか思いませんけどね。
例えば、野球だって、昔はただ投げて、ただ打って、ただ走ってというスポーツだったと思いますが、それがルールの中で、変化球を投げたり、盗塁したり、隠し球をやってみたりと、自分たちが有利になるようにプレーの仕方を変えてきています。ニートが増えてきた。ニートがニートを選ぶ理由もそこだと思いますけど。ニートは与えられたルールの中で、自分にとって1番有利な生き方を選択しただけです。あなたも1番有利な生き方を選択する権利はありますから、それを選べばいいだけ。それが気に食わないなら、ルールを作っている側に言うべき。ニートはルール権者である国から「問題ない」と言われていることをしているのに、文句を言うのはおかしいです。ニートでいることは合法なんです。ということは、文句を言う相手を履き違えている。文句があるならば、ルールがおかしい!と国に言うべきです。ニートに対して文句を言うのは、社畜って何で生きてるの?って聞くようなもんですよ。いやいや、社畜だって、国から生きることを認められているからでしょう。あなたも自分が1番有利だと思う生き方をすれば良いだけじゃないですか?ただ、個人的な感情だけで人を叩くのは、それこそ社会のゴミと言われてもしょうがいのでは?
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