公務員試験の性格検査、適性検査の質問が酷いと話題に
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最終更新日:2016/02/21
公務員という働き方
公務員試験の採用状況って、多分ほとんど人は知らないと思います。ベールに包まれているというか、公務員の採用試験を受ける人がほとんどいないので、どういう選考を経て採用されているのか?はちょっと分かりづらいと思います。民間企業の就職活動は受けたことがある人が多いと思いますが、公務員試験は一部の人間だけです。主に一次試験が筆記試験で、二次試験以降が面接などの人物試験で、それが二次で終わる場合もあれば、三次、四次と続いていくケースもあるということです。選考の長さや内容は試験種や自治体、省庁によって異なります。その中に、行われる場合とそうじゃない場合があるのですが、性格検査(適性検査)と呼ばれる試験が実施される場合があるのです。これは民間企業の就職活動でも経験した人がいるかと思います。簡単に質問がざーっと羅列されていて、それに「はい」、「いいえ」、「どちらでもない」といった感じで答えていくものです。これが公務員試験でも実施される場合があります。ただ、それが最近物議を醸したようなのです。
今の公務員試験では、こんな質問がされている!?
「地方自治体の公務員採用試験で「同性に惹かれるか?」「女性に生まれたかったか?」などの質問は許される?」のページでは、実際にその性格検査にて出題された、これは良いのか?と、首をかしげてしまうような質問が載っています。
地方自治体による公務員・教員・警察官の採用試験のときに「適性試験」として、しばしば心理テストが用いられていますが、その一種であるMMPIという心理テストには「同性に魅かれるか?」「女性に生まれたかったか?」などのセクシュアリティに関する質問項目が多数あり、受験生は「はい」「いいえ」の2択回答を迫られています。
(中略)
就職の際の面接等で、家族や出生地など本人に責任のない事項や、妊娠出産についての考え、思想信条など本来個人の自由であるべき事項を尋ねることは差別につながるとして、厚生労働省や文部科学省は企業等に対してこれらを尋ねないよう指導しています。性的指向などに関する情報もまた同様に取り扱われるべきですし、面接に限らず、適性試験の問題に不適切な設問が存在していることにも十分注意していく必要があるでしょう。しかし、日本は性的指向や個人のプライバシーについて、心理テストの形で質問することへの問題意識がまだまだ低いようです。
上記に書いてあるように、一応民間企業では差別につながるような、個人の思想信条の質問はすべきではないというのは、一応ガイドラインのうえであって、以前裁判で争われたことがありますけど、憲法は基本的に国と国民の関係を規定するものですから、私企業と国民の関係は規定しません。したがって、民間企業が個人の思想信条にかかわる質問をすること自体は別に憲法違反ではないという判例が出ており、一応合法なんですね。ただ、国としては望ましくないから、できるだけ控えるように。としているというだけの話です。しかし、公務員の採用試験は、そこにいるのは国(地方)と国民ですから、憲法の規定が適用され、個人の思想信条に関する質問はしてはいけないはずです。リク筒としてはそうなんですが、採用して貰う立場の受験生は、疑問に感じても訴えづらいし、抗議もしづらいですよね。そんなことをしたら受かるものも受かりませんから。だからこそ、ちょっと問題なんじゃ?と思える質問をしてくる面もあるのかもしれませんが。
直接合否に関係なければ、採用と関係ない質問も許される?
民間企業は、法律の範囲内であれば、自由に質問をしていくことは可能ですが、公務員試験の場合はその範囲が狭まっています。また、公務員試験の場合は、こういう質問をすること自体が、どういう意味や合否への関連性があるのか?を問われた場合への説明責任があるでしょう。ここで挙げられている「同性に惹かれるか?」、「女性に生まれたかったか?」という質問は昨今の日本の世の中の時事を反映している質問のように思えますけど、それがどう関係あるのか?と微妙ですよね。というのも、実施する側の言い分としては、性格検査は合否とは直接関係ないとするところが多いのです。要は面接をするときの参考資料なんだそうです。2015年から新たに性格検査を実施する特別区なんかもこの言い分です。「合否と直接関係ない」ということは、公務員を選ぶ試験において、その質問が合理性を有していなくて許される。そういう捉え方になりそうなのです。要は、「これはあくまでも参考資料だよ?これは合否には使わないから、公務員を選ぶための試験において、直接関係がないような、妥当性がないことを聞いたって問題ないでしょ?」という良いわけみたいなのが、ある種許容されてしまいかねないのです。
性格検査はあくまでも面接の前段階における、その受験生のパーソナリティを理解するために行われるものです。ということは、受験生のパーソナリティを理解するための質問ならば、公務員を選ぶ試験において、一見あまり関係がなさそうなことを聞いてもOKというか、パーソナリティの範囲に収まっていれば、大した問題になりづらいということなのでしょう。例えば、合否を直接決めるための面接で、「AKB48のメンバーで誰が好き?」と聞いたら、それは関係ないじゃん!と言われてしまう。しかし、性格検査で同様の質問をすると、どうなるか?AKBがそもそも好きか?どうか、そしてその中で誰が好きか?ということは、間違いなく個人のパーソナリティーに関係する質問です。その人の性格や嗜好を見極めようとすることができます。だから、面接では許されないけど、性格検査では許されてしまう。これが性格検査が、直接合否には影響しないが、面接の参考資料には使う。という自治体側の言い分というか、正当性になりえてしまう部分だと思います。
こんなもんじゃない!もっと酷い質問もある
これは私の実体験です。私は以前公務員試験を受けたことがあり、某S県庁を受けたときに、同様の性格検査がありました。今から3年前くらいでしょうか。そこに載っていた質問には目を疑いましたね。これはセクハラどころじゃない!と。ここで載せるのも憚りたくなるくらいの過激な質問がありましたよ。女子学生とか、どう思っていたのでしょうか?それくらいにちょっと目を覆いたくなるような質問が何問かありました。全部じゃないですけど。全部で50問くらいあるうちの、何問かです。それ以外はまあ想定内の範囲って感じですが、一部そういうセクハラじゃね?と思えるような質問があり、ここ大丈夫か?と思いました。そこは結局不採用でしたが、まあここで働きたいとは思えませんでした。この性格検査だけが理由ではないですけどね。性格検査だけじゃなく、面接をしたときの面接官もやや高圧的でした。それは演技でやっているのかもしれませんし、圧迫面接というほどのものではありませんが、態度には出していないものの、何かムカッとする感じがあったのです。今回記事で紹介したセクハラ質問と私がS県庁で体験したセクハラ質問の意味合いはちょっと違いますが、セクハラと言われてもしょうがないような質問があったのは事実です。
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