子なし税への賛成論者はある重大な勘違いをしている
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日本の世の中に蔓延る社会問題
結婚している夫婦の中でも、子供のいる夫婦といない夫婦がいますよね。お互い別に自由な価値観や考え方で良いんじゃないの?と思うわけですけど、そうはいかないみたいんです。いがみ合う場面もあったりして、どうして子あり夫婦と子なし夫婦は、こうやって対立するのだろうか?と疑問に思うこともありますし、中には「子なし税を採るべきだ!」という意見もあります。これは『「子無し税」を作るべきだと思う? 女性たちの間で激しい議論に』のページに掲載されていたものですが、子なし夫婦に対して、あまり良い感情を持っていない人も多いようです。世の中の夫婦のうち、子供がいる夫婦の方が多数だと思うから、ある意味常識として夫婦は子供を産むべき(子供を産まない夫婦はおかしい)だとする価値観が蔓延しているのは、なんとなく感じます。別に子供を産まないことは国によって罰せられる行為ではない。国は子供を産んでくれること越したことはないが、無理に産んでくれとまでは思っていないのでしょうからね。
子あり夫婦は子なし夫婦よりも社会に貢献しているは本当か?
トピックを立てた女性は、「子有りの方々は子無しの方々より社会に貢献しているからです。次世代につなぐ、子孫を残すというある種生物として当然の義務を子無しの方々は果たしていないわけですから」と持論を展開。そのため、「具体的には30歳以上65歳以下の子無し男女に、毎月月収の2%を納めさせるというのはどうでしょうか?(例:月収30万円なら毎月6000円)」という提案をしているのだ。
子供を産んだ夫婦は社会に貢献している。それは将来の日本の担い手、労働力を社会に供給しており、社会保障制度維持のためにも役立つから。そういう見方なんじゃないでしょうか?確かに貢献しているといえば、そう思えなくはないですが、じゃあ、子供を産むことで、世の中に逆に迷惑をかけていることはないの?子供は子供である以上、社会に迷惑をかけるのはある種当然だし、それにいちいち文句を言おうとは思わない。公共の場で泣きじゃくる子供をウザいと思った経験のある人もいると思います。それはごく一部の例です。また、その子供が成長した大人になった場合も然りです。よく世間からニートはウザがられる存在かな?と思いますけど、そういうニートになって働かない人、ニートまでいかなくても、フリーターなどで年金保険料を納めない人、または生活保護に頼る人など、私はこういう人をウザいとは一切思いませんが、ウザいと思う人は世の中に多いと思います。ウザいって思うってことは、そういう人からしたら、彼らは迷惑な存在ってことですよね。
子供自体もそうだが、その子供が大人になったときでも、多くの人からお荷物的な存在として扱われる人も多い。そういう人が必ずしも迷惑な存在とは私は思いませんけど、多くの人からしたら社会に迷惑をかけているという認識になるのでしょう。だから、人っていうのは、何かしらで迷惑をかけるのが当たり前なんですよね。子供を産むことは、その子供がまともに成長していって、国を下支えする労働者としてバリバリ働いてくれるそういう現状が起きて、初めて貢献していると言えるのではないでしょうか?逆にそうならないような子供、ニート、フリーター、生活保護受給者、最悪の場合として犯罪者になるような子供は貢献どころか、社会に迷惑をかけているというのが多くの人の認識じゃないのでしょうか?そうなるとね、子供を産むということは一長一短ですよ。貢献する面もあれば、迷惑をかける面もある。逆に子供を産まないってことは、貢献する部分もないけど、迷惑をかける部分もないわけ。このように考えると、子あり、子なしの差が社会への貢献度の差というのは些かおかしいと思います。つまり、子供を産む夫婦が、子供を産まない夫婦よりも世の中により貢献しているという認識はおかしいということです。
様々な事情で子供を産まない家庭があるということ
子供をそもそも産みたくないという家庭もあるでしょうし、産みたいけど、例えば経済的事情で産めない。産んでも育てていく自信がないなどの家庭もありますよね。特に経済的事情で子供を産み育てられない夫婦は、現時点でも困っているのに、その経済的に困っている夫婦からさらにお金をとるんですか?鬼畜すぎませんかね?お金を給付して、安心して子供を産み育てていくサポートをしてあげるというのならば、まだ理解できなくはないですが、子なし税導入を唱える人たちというのは、結局は社会の中で子供が増えることを最終的な望みとしているのではないでしょうか?ならば、子なし税をとることで、余計に子供を産み、育てていくことが困難な状況を作ってしまうことは、本末転倒しか言いようがないと思うのです。
子なし税導入案に対する国民の賛成、反対意見
「少なくとも今のバラマキ政策よりは理にかなっているし、社会的な収入にもなり、少子化抑制につながる一歩ではないかと思いました」
「良いと思う
子供出来ずに治療中ですが、このまま授からない場合は主様の意見に大賛成!
子供を産めず申し訳ないって気持ちから、少しは解放されそう」などと賛成する声がやや目立つ。ただ、
「扶養控除あるんだし、こどもの医療費の補助、手当など既に子どもがいるお家は優遇されてます。
…と言う事で、子供のいない人は既に負担してると言えなくないです。
子どもがいる私でさえ、それは納得できません。
子どもがいない人に負担させる前に、今きちんと税金を支払って無い人の方が問題じゃないでしょうか」など、子供がいる人が優遇される制度がすでにあることから、反対する意見もあった。
少子化抑制に繋がるという意見があるけど、それをお金を払えという形で、半ば脅迫するように子供を産ませるというのは、とてもじゃないが、法治国家、民主主義国家があることじゃないだろう。と思います。少子化対策が必要だとしても、あまり考え方が暴力的すぎて、いつの時代の国なの?と思えてしまいます。少子化対策をするならば、半ば強制的に生ませるやり方ってのは、そもそもそういう考え方自体に全く賛成できないが、結局は長続きしない。恐怖や強制によって支配するというやり方、人々が嫌々やるような政策は、歴史を見ても時間の問題で淘汰されてしまう。意味がないですよ。私は以前、少子化対策の論文の勉強をしていたときに学んだのだけど、結局国がやるべき少子化対策は、子供を無理矢理産ませるものじゃないと。子供を産みたくなるような社会作りこそが大切なんだと。そうじゃないやり方はすでに述べたように長続きしない、効果は上がらないとされています。だから、少子化対策を考える専門家から見ても、無理矢理子供を産むことをお金で強制する子なし税導入というのは、全く意味がない考えといわざるを得ないのでしょうね。
子なし夫婦を蔑視する見方こそが、そもそも穿った価値観
冒頭の引用で示している通り、「子有りの方々は子無しの方々より社会に貢献しているからです。次世代につなぐ、子孫を残すというある種生物として当然の義務を子無しの方々は果たしていないわけですから」と、子なし税導入を唱える人は考えているようです。子供を産むことが義務ですか?どこに書いてあるの?よく、選挙期間中に選挙に行くことは権利じゃない!義務だ!とか、ワケの分からない持論を持ち出す人がいますが、それと同じでしょうかね?義務って、どこに書いてあるの?義務なら、何で子なし夫婦は罰せられないの?つまり、子供を産まない夫婦はおかしい!という価値観がある人は、それをそのまま通そうとしても通るわけがない。ただの価値観なんだから。だから、何故か「義務」なんて言葉を持って来て、いかにもそれっぽく、子供を産まない夫婦はおかしいんだ!と自身の穿った価値観の正当性を主張するために「義務」という、全く根拠のない要素を付け足しているのです。
子なしを税を導入しても、少子化改善には至らない
義務でもないものを義務を主張する。セコイというか、どういう考え方をしたらそうなるのか?ちょっと理解できません。子供がいないと社会保障制度や将来の労働力の担い手がいなくて困るから、子供を産まないのは、国民の義務を果たしていないとでも言いたいのかな?いやいや、それならば、将来少子化の時代がやってくることを想定しないで社会保障制度を構築した当時の政府にも責任があるし、実際にこうして少子化が顕在化してきたにもかかわらず、既存の制度をそのまま昔と大差なく維持し続ける政府の考えこそがおかしいと主張する方が真っ当です。時代が変われば、国民生活、価値観、社会成層なども当然変化してくるのに、ほぼ同じ制度を何十年も続けてきて、それが変わらず機能すると考える方がどう考えてもおかしいでしょう。また、国は国民のために社会保障制度を構築し、維持していくという明確な義務がありますね。一方、国民に子供を産む義務なんてないです。どこにも書かれていません。そうなると、少子化が顕在化してきた今、その責任をとらないといけなのは、義務が課されていない夫婦が子供を産むことではなく、明確な義務が課された政府が少子化を迎えた今の時代にあった社会保障制度に変革していく方でしょう。国に立ち向かえないからって、私たち国民に責任を追及するのはおかしいですよ。子供が減るということは、将来子供を産む担い手も減るということですから、少子化の負のスパイラルは今後も広がる一方ですよ?ならば、そんな状況で、子供を産め!なんて叫んで解決になると思いますか?焼け石に水程度の効果しかないと思いますよ。ならば、少子化が進展すること前提で、少子化の時代に適合した国のあり方を再構築すべきだ!という考え方の方が、持続可能性も期待できるし、よっぽど建設的のように思いますけどね。
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