ベーシックインカムで働かなくなる?労働意欲や働かない人の問題は起きないと思う
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最終更新日:2018/01/04
その他の話題, ベーシックインカムの考察, 日本の世の中に蔓延る社会問題
ベーシックインカムが導入されると、人々が働かなくなるという言説があります。ベーシックインカム自体は、お金を支給する類の制作ですから、労働意欲を一部削ぐというのは間違っていないかもしれない。ただ、働かなくなる人が何故問題だと思うのでしょうか?ベーシックインカムによって働かない人が出るかもしれないという懸念があり、働くなることが明らかに問題ならば、そもそも働かなくなるってのは意味が分からないのです。実際、ベーシックインカムが導入されて働かなくなる人が出たとしても、その人は少なくとも自分も含めて、人々が働かなくなることが問題とは思っていないと思うんですよ。問題だと感じているなら、働くのを辞めるとは思えないから。だいたい、働かなくなる人が増えると問題なんて言っている人は死ぬまで働くんですかね?だって、そうですよね。働く人が減ると問題なんでしょう?じゃあ、何歳になろうが、死ぬまで働き続けることが、その人にとっては最善ってことになるわけだよね。65歳くらいで仕事を辞める人が多いが、65歳でみんなが挙って辞めれば、働く人が減るわけだ。逆に65歳で仕事を辞める人を正当化するのに、じゃあ40歳で辞める人は何でいけないの?となるわけですよね。
働かなくなる人が増えると問題なのか?
すでに説明したように65歳くらいで仕事を辞める人が大半なわけだ。定年退職という慣習があるから、65歳で仕事を辞めるのが当たり前みたいな雰囲気になっているだけの話です。40歳で辞める人がいたって、それはその人の自由なわけだよね。65歳で辞めるのは何で良いのか?説明できるのか?65歳だって全然働ける人はたくさんいるだろうに。65歳で辞めて良いなら、40歳だって仕事を辞めてはいけない理由なんか存在しないんですよ。65歳で辞める人が多くいるから、それが当たり前になっているだけ。それは慣習であり、正解ではない。つまり、仮にベーシックインカムを導入して、仕事を辞める人が続出したとしても、それがいけないことだと言える理由なんか存在しないんですよ。ただの感情論でしかない。ベーシックインカムが導入されて働かない人が出たとしても、それがダメならば、今65歳あたりで働くのをやめる人が出るのはなぜ良いのか?これを説明しなければいけないのだ。働く人が減れば、再分配できる富の量が減るから、国民全体の困窮度は増すかもしれないですね。ただ、ベーシックインカムがあるから最低限の生活には困らないし、もっと贅沢したいなら働けば良いんだし、自分自身を含めた日本全体の富の量が減り、生活水準が落ちたとしても、仕事のような苦役に徹したくない!という都合を優先させたいという人が増えて、それの割を食う人がいるっていうのは、今も変わらないわけですよ。同じ理屈はベーシックインカムの導入前も後も存在するわけです。ベーシックインカムによって労働意欲が減るとしても、それがいけないことであるという説明は恐らくできない。なぜならば、その状況は今でも存在しているから。つまり、過労死が年間1万人出るのはダメだけど、100人くらいだったら問題ないよね。みたいな言い方と変わらないわけですよ。ベーシックインカムによって働かない人が増えたとしても、その状況は今でも存在する。今より酷くなるのはダメだろうと言うかもしれないけど、それを言うならば65歳になっても働き続けた方がさらにいいよね。という話になり、キリがありません。65歳をボーダーにして、働かない人を正当化できる理由は存在しないならば、ベーシックインカムで働かなくなる人が増えても、それも間違っているとは言えないわけです。
また、ベーシックインカムによって働かない人が増えることはメリットもあります。労働意欲が減るというのは、メリットも生むわけです。というのも、今は働きたいのに働けない人がいるわけですよね。そして、その人は生活保護を受けて生活するしかないが、それも必ず受給できるとは限らない。そうやって非常に不安定な生活を強いられている人は、働く人が減れば、そこに自分が働ける余地が増えるわけだから、メリットも大きくなるし、国民全体で労働者の量が減ったとしても、それは現在、働きたくもないのに働いている人と働きたい人がいるのに働けない人がいるという世の中と比較すれば、働きたくない人は仕事を辞め、働きたい人は働きやすくなるのだから、どう考えても理想的な社会としか思えない。先ほど言ったように、国全体での労働者の量が減れば、確かに国全体の富の量も減る。ただ、それはみんなが認識したうえでの行動なのだから、しょうがないでしょう。今普通に働いていて、ベーシックインカムが導入されても今まで通り働くつもりの人は、それで割を食うかもしれない。ただ、割を食っている人がいるのは、ベーシックインカムが導入されていない今の社会だって同じなんです。それが誰になるか?の違いでしかない。それが他人であれば許すが、自分になると許せないというのは、いささか自分勝手な反対理由でしょう。むしろ、反対理由にはほとんどならない。誰かが割りを食う社会がダメならば、それはベーシックインカムがない今の社会への反対理由にも同時になるわけだから、賛成なのか?反対なのか?分からないのです。だから、ベーシックインカムによって労働意欲が減ることはそこまで実際には問題とは言えないのです。
ベーシックインカムが導入されると社会の効率化が進む
ベーシックインカムでも労働意欲は下がるとはあまり思えないが、下がっても大した問題にはならないし、先ほども言ったように、ベーシックインカムが導入されて働かない人が大量に出たとしよう。これは問題か?っていうと、みんながみんなが好きで働かないんだから良いじゃないか!働かないのが問題だとみんなが思っているならば、当然働き続けるでしょう?でも、みんなが辞めてしまうってことは、その人たちにとっては働かないことは問題じゃないという認識なわけだ。世の中の多数決で今の社会システムが維持されているんだから、ベーシックインカムによって働かない人が大量に出るという社会システムを実際に多くが支持するようになれば、それも多数決で維持されるだけの話です。だから、今と変わらないわけですよ。これの何が問題ですか?これが問題ならば、今の社会も同様に問題ですよね。貯金も普通にあるのに何故か働いている人が大量にいる。東日本大震災のときには、商品がお店から在庫がなくなるという事態が発生したが、そのときには思いやりの精神で、一人占めしないでみんなで分け与えよう!という動きもあったが、仕事に関してはそういう動きはないですよね。必要な人に必要な仕事を回そうなんて誰もやらないじゃないですか?お金に関してもそうで、日々の生活に困っている人たちに対して、お金を十分持っている人が彼らにお金を分け与えようなんて動きは全然ない。災害発生時みたいに、国民全土の問題に発生して、やらないといけない雰囲気でも起きなければ、そういう行動をとる人はほとんどいないわけです。被災者には募金はいくが、ホームレスなどには全くいかない。それどころか非難する人も多くいる。災害発生時には商品はみんなで分け与えようとか言うくせに、お金に関しては足りない人に分け与えようという動きは全くないですよね。そりゃ前者は自分が困る可能性がある問題(買占めを容認すれば自分も買えなくなり困るから)だが、後者は自分には関係ないような問題だから、無視できるんでしょう。随分、都合が良いなとしか思えないけどね。話は戻るが、貯金がある程度あって、当分働く必要性がないのに、働き続ける人が大量にいるわけ。そして、働かないといけない人になかなか職が回ってこない。貯金がたくさんある人がみんな仕事をやめて、必要な人に回せば、流動化も進み、1度掴んだ職を手放さないでしがみつくというメリットはほぼなくなる。実際、そういう客観的に見たら、働く必要性が乏しい人が働いているせいで、貯金も財布の中のお金もほとんどない。明日を生きるお金もない人が働ける余地がほとんどないんですよ。ベーシックインカムがあれば、そういう働く必要が客観的にあまり認められない人は仕事をやめて、空いたスペースに仕事をしないと厳しい人、仕事をしたいと思っていた人などが割って入れる。明らかに効率的な社会ですよね。
実際、ベーシックインカムを導入しても働く人はほぼ変わらない
ベーシックインカムがあると働かなくなる人が増えるというのが多くの人の予想みたいだが、それはまず起きない。ベーシックインカムでは月額7万円くらいを想定しているみたいですが、7万円のベーシックインカムで働かなくなる人がどれだけいるんでしょうか?7万円で一応最低限の生活はできるとしよう。ただ、働かなくなるとその7万円だけしか収入がなくなるわけだから、大多数の国民は今より生活水準が下がる。ここで良い例を挙げたいと思うが、ここにAとBの2人の人間がいたとする。Aはこの度月収100万円から80万円に減額された。Bは20万円から25万円に給料がアップした。さて、今のこのAとBの2人の心情のうち、どちらがより気分が高揚しているだろうか?テンションが高いだろうか?それは間違いなくBだ。Aの方が貰っている給料額は間違いなく多いが、現在の水準から下がってしまっている。つまり、Aにとっては100万円貰えるのが当たり前だったからです。100万円が基準になってしまっているから、そこから下がることはショックなんです。相川r図80万円という高給取りにもかかわらず。一方、Bはずっと20万円の給料だったから20万円が当たり前であり、基準になっている。つまり、20万円からわずかでもアップすれば、それはとても喜ばしいことになる。人間っていうのは、絶対値がいくらであっても、長く続いてきたものがそもそもの基準になってしまい、それが普通と感じてしまうのです。つまり、7万円くらいを貰ったところで喜んで仕事をやめられるのは月の収入が7万円以下の人間だということになる。7万円では、正社員、バイト合わせても、ほとんどの人間は現在の収入よりも下がるはずだ。つまり、今までの普通と感じていた、基準以下の生活水準に落ちてしまうわけだから、それは容易に受け入れられないというのは、すでに例を使って説明したはず。だから、人間っていうのは、高給取りだろうが、薄給だろうが、最低限今を維持した、現状維持したいという欲望があるわけですよ。できるならさらに収入を増やしたいという欲望がある。だから、現在の生活水準が普通だと感じている、基準になっている人にとっては、収入が落ちて生活水準が今より下がることに耐えられる人はほとんどいないと思う。だから、月額7万円くらいならば働かなくなる人はほとんどないないと思いますよ。
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