ベーシックインカムの財源は問題ない!デメリットもない
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ベーシックインカムの考察
国民1人1人に定期的に基本的な所得を与え、生活に困らない程度の支援をしていく。それが永遠に続くという前提になるのがベーシックインカムです。一見するとベーシックインカムのメリットなんかなさそうな人たちが多く賛成しているのが特徴的で、私も基本的には賛成ですが、デメリットがないわけではない。あと、財源の問題も言われている。財源の問題に関しては、「財源があるか?ないか?ではなく、どこからとるか?の問題」と言われることもあります。だから、ベーシックインカムをやるための財源なんかないだろ!ということ自体が実は錯覚だったと識者が意見している場面もありました。アイデアを出せば、いくらでも財源を捻出できるのでしょうね。その中で1つ面白いというか、現実的に財源を確保するならここからだろうな。と思うのが相続税なんです。
相続税100%でベーシックインカムは可能
これはブロガーの小飼弾さんが提案している策なんですが、日本の相続税はとられていないケースが非常に多いんだとか。控除額が大きいのだそうです。最近、また変わったみたいですけどね。税金としてとられてはいないが、相続されている金額というのは、毎年80兆円以上あるらしい。しかも、それは少子高齢化の流れの中で今後増えていく。この相続される金額に100%の税金をかけてしまえば、月に7万円くらいのベーシックインカムはこれだけで可能なんです。消費税増税や社会保障の一本化などをするまでもなく、これだけで実現できてしまうのです。私自身、この案に賛成なんですが、その理由はかなり部分の人にとって得だからです。相続税100%になると、相続される金額は丸々国にいきます。例えば、通常ならば500万円の遺産が相続されていたが、それがベーシックインカムの財源になるとすると、月7万円だと、70~80ヶ月で元がとれます。6~7年ですね。500万円の遺産を相続していれば、500万円という金額以上には増えませんね。それを元手に投資などをする場合を除いて。それ単体では増えませんが、ベーシックインカムの財源になると、いつか500万円を越えるでしょう。いつしか貰える金額が500万円を越えます。遺産を全くもらえない人は完全なフリーライダーになるわけですが、遺産をそれなりに貰える人も結局得をする可能性は高い。少なくとも年金よりはこちらの方がよほど支持できそうな気はしますけどね。若者にとってはこちらの方が年金保険料を払うよりも明らかにメリットが高い。500万円の遺産じゃ一生暮らせません。でも、ベーシックインカムがあれば、500万円払えば、一生最低限の生活は出来ます。どちらが良いですか?という話です。
相続税100%と聞くと、反発は多いでしょうけど、よほど金持ちの家に生まれた人以外は、相続されるべき金額を丸ごと国に渡しても、ベーシックインカムでいずれお釣りがくる生活になる可能性は高いと思います。そこを説明すれば納得する人も増えるんじゃないか?と思います。懸念すべき点があるとすれば、相続税100%になるとすると、そのお金を被相続人から自ら使ってしまう可能性があるということ。それによって原資が減ります。それもどうかな?って感じですけどね。遺産を子供のために残してやるという気持ちがあるならば、その対象が子供を含めた国民に変わるだけですから、相変わらず遺産を後世に残してくれる人は多いんじゃないか?と思います。高齢化率が高い日本では、高齢者の割合はどんどん増えるので、ベーシックインカムの原資である相続されるべき金額もどんどん増えていく傾向にあります。まさに少子高齢化の時代に合った原資なのではないでしょうか?私は遺産貰えるのか?知りませんけど、ベーシックインカムが実現するならば、相続税100%で全然構わないですね。
ベーシックインカムのデメリットとは?
ベーシックインカムのデメリットとしていろいろな点が挙げられています。例えば、働く人がいなくなるとかですね。別にそれの何がデメリットなのか?分かりませんが。働く人が減ると困るんですか?どう困るんですか?働く人が減ると国際競争力が削がれるとか、そういう事態は起きないと思うんですよね。むしろ、人間が働く必要のない分野は機械化されて、24時間365日働く、中国人などを雇うよりもロボット使った方が安い分野は、それが進むのではないでしょうか?ベーシックインカムがあると、飢え死にする人を減らすために無理矢理に人間のために残しておいた職がいらなくなり、むしろ効率化が進み、ベーシックインカム非導入国よりも国際競争力は増すかもしれません。あと、働く人は減らないと思う。それは今の社会を見ていればすぐに分かる。最低限の賃金を貰って満足している人がどれだけいますか?最低限の生活で満足ならば正社員を目指す人がこんなにいるんですかね?非正規で最低限の金額は稼げるだろうし、仕事がなくなったら生活保護を利用すれば良い(許可が降りるか?という問題もあるが、これは制度自体に欠陥があるのが問題)はずです。本来はそうあるべきだと思うんですよ。また、学生なんかは1番顕著です。彼らは高校生を例にすると、実家に住んでいて、家もあるし、食事も出るし、その他娯楽に使えるお小遣いくらいは貰っているでしょう。どう考えても最低限の生活は保障されている。でも、彼らの中にはアルバイトをする人がいるんですよ。何でアルバイトをするんですかね?最低限の生活じゃ物足りないからですよね。だから、結局働く人の数はそれほど変わらないだろうと思います。
あとは介護業界から人がいなくなってしまい、高齢者が困るという意見もありますが、それは事実かもしれないが、それはベーシックインカムに反対する理由にはならないでしょう。何故ならば、ベーシックインカムがない今でも困っている人は大勢いるからです。ベーシックインカムの導入によって困る人が生まれても、それによって救われる人がいればそこは相殺されてしまう。実際、生活困窮者は今の時点で大勢いるのだから、かなり救われますよね。つまり、ベーシックインカムが導入されて、困る人が出てくるというならば、ベーシックインカムがない今の社会にも同じことを言っているに等しい。賛成なんだか、反対なんだか分からない意見ということになる。介護の問題や、どうしても必要な職業は賃金を上げて募集をするか?それでも集まらないなら、それはしょうがないでしょう。世の中の総意なんだから。必要だといわれても、国民に無理矢理その職業をやらすのは筋ではない。必要だという人がお金を出して誰かにやってもらうか?自らやるか?が筋だと思う。例えば、警察官とかが誰もやらなくなる(あまり考えづらいが)としよう。その場合には、いろいろな人がお金を出し合って、誰かお願いですからやってくれませんか?懇願するか、もう自警団という形で江戸時代以前のような、自ら組織して街を監視する集団が出てきそうな気がする。困る困る!というならば、誰かやるでしょう?誰もやらないなら、それは困ってない状態とほぼ等しいと思うのだが。警察官がいなくなって誰も困らないならば、じゃあそれで良いじゃんとなる。そんなわけで、ベーシックインカムの問題点としてよく挙げられているものは、大した問題とは思えないのです。
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