内定式や入社前研修のお礼状、メールを出す意味が理解不能

公開日： 2015/08/19 : 学生たちの就職活動

内定式やその後に行われる研修や実習において、お礼っているんですか？立場上のことを弁えると、お礼をしておいた方が無難というのはありますが、理屈から考えてお礼をするものでしょうかね？内定式も入社前研修も、企業が勝手に行うもので、それに出てくれと言われたから、嫌だけど仕方なく出るという人も少なくありません。好きで出ている人、内定式とかは特にそうかもしれない。内定式が楽しみで、実際に参加してみて本当に楽しかった。というのであれば、その場を提供してくれた企業の人にお礼を言うのは、不自然とは思わないが、中には参加自体したくないが、今後のことを考えると仕方なく参加せざるを得ない。と思っていた人もいたでしょう。で、仕方なく参加して、案の定つまらなかった。これでお礼を言うんですか？何に対してお礼を言うんですかね？つまらなかった式を開いたことに対するお礼なんですか？何か変な話ですね。

来てくれた内定者に対して企業がお礼を言うべき

内定後の懇親会も研修や実習は、そもそも企業が勝手に日程を決めて、勝手に行うものです。つまり、目的自身も企業の都合が優先されているのだが、開催にあたっては多くが学生の都合は考慮してくれない。その中で、当然立場が弱い学生は、参加する気がなくても出ざるを得ない。体調不良やよほどのことでもなければ、欠席はマズイとなってくる。つまり、自由参加に見えても自由参加ではない。よほどのことがないと出ないといけない空気になっている。ネット上でも内定式や研修については出るべきと意見している人は多いが、そういう認識なのでしょう。企業の都合に合わせるべきだという話なんでしょうね。そうであっても、理屈上は結構強制に近いわけですよね。つまり、理屈の上で考えたならば、あえて内定式や入社前の研修は絶対にやらないといけないものじゃないわけ。目的を考えてみれば分かるのだが、これらの目的は自社に入社して貰うための策略で、本来はそんなに必要なモノじゃない。

内定式は勿論だが、研修についてもどうせ入社したらやるのだから、あえて必要なモノとは思えない。数回やって、入社までブランクが空くというか、時間が結構あるのだろうから、どうせ忘れている人も多そう。そうなると、別にやる必要ないものを勝手に企画され、ほとんど強制に近い形で参加を強いられている。と見るのが正しいと思うのだが、そういう内定式や研修にいちいち学生側がお礼を言うというのは、どういう状況だ！？となる。奴隷根性が入社する前から垣間見えてしまっていて、個人的には先が思いやられるというか、これが現代日本の社畜予備軍か。と思えてくるし、実際ネット上で見るとお礼をするべきという意見も多いから、彼らが社畜同然に今後生きていくことはもはやしょうがないと肯定しているのでしょうか。普通に考えたら企業側が自身の都合でやっているのだから、それに来てくれた学生に対してお礼を言うべきでしょう。内定式や研修はそもそもの目的は企業のためであり、学生のためじゃない。結果的に学生のためになっている場合もあるかもしれないという話であり、そうなっていないのならば、普通はお礼をする意味が分からない。結果的に学生にとってもタメになったと考えたならば、その人はお礼をすべきだという話になる。

日本はこういう真意とは違う茶番を演じないといけないことが多すぎる

日本人の特徴として、心の中で思っていることをそのまま言わないとか、思っていることと言っていることが違うということが海外でも言われているし、ちょっと前にやっていたテレビCMで覚えているかな？日清カップヌードルのCMで、思っていることをそのまま言わずに、お世辞を済ましている日本人の姿が映し出されていた。全部は覚えていないのだが、１シーンだけ取り上げてみると、明らかにサイズが合っていない洋服を試着室で着ている女性を見て、店員が「お似合いですよ！」と言っていた。このCM自体、何を意図していたのか？は分からないが、制作側がそういう日本人らしい特性を描いたのは言うまでもない。つまり、全くありがたく思っていなくても、相手が何らかの気遣いをした場合にはとりあえずお礼をしないといけない文化は存在するようです。その中の一例が、こういった内定式や研修、実習に参加した後のお礼のメールや手紙ということになるのでしょう。就職活動自体が、そもそもそんな感じですよね。思ってもいない志望動機などをでっち上げて、決して本音は言わない。本音を言ってしまうと、相手をがっかりさせて採用されづらくなるから。というのもあるが、同質性の原理で、他の就活生がみんな嘘をついているから、自分だけ本音で話しても、それは出る杭は打たれる国だから、益々不利になる。みんながみんな本音で志望動機などを話していれば、本音で話すことが珍しくなくなり、いくら本音の内容が企業にとってガッカリさせられる内容だったとしても、みんながそういうことを話しているのならば、差がつかないわけです。また、みんなが本音でのみで話していれば、同質性が重視される日本では、それが正しいという価値観にも変わると思う。本音をそのまま話すのが良いのか？オブラートに包んで話したり、お世辞や嘘を言うのが良いのか？正直言って何とも言えないが、少なくとも内定式や研修後に送るお礼状のようなものは、自発的に送るものであり、共生される性質のものじゃない。

だいたいお礼を強制するっていうのも、変な話で、強制されて送ったお礼にお礼の気持ちなんかないわけです。それに何の意味があるのか？お礼の気持ちなんかなくても、見かけ上のお礼をしておけというのが、今まで話してきた日本人の特性であり、日本の文化なのかもしれないが、同じ日本人である私でも違和感を覚えているのに、外国人が実際に見たらどう思うのでしょうね？全員が全員とは言わないが、外国人は割とストレートに言いたいことを言ってくる。例えば、料理が美味しくなかった場合、「マズイ」とストレートに言ったら、日本では「作ってくれた人に失礼じゃないか！」という反応になるが、海外では「本当のことを言わないと料理人の腕を鈍らせるだけだ！」となる。前者は作ってくれた人の気持ちを思いやっているが、後者は作ってくれた人の今後の将来性や技術について思いやっていると言えるでしょう。日本の就職活動では、空気を読む力、本音と建前が使えるか？というのが、試されているみたいですね。「うちは第１志望ですか？」なんて質問はまさにそうかもしれない。本音と建前が使えないと社会人としてやっていけないという理屈なんだろうが、外国ではやっているんですよね。むしろ、やっていけない日本の方が圧倒的に珍しいのでしょう。どちらが正解というわけでもないだろうが、私はこの本音と建前を強調しすぎている現状は正直言って好きじゃないし、日本が生き辛い原因の１つじゃないか？と思います。一応、本音と建前が使えないと今後立場が危うくなるかもしれない、就活生や内定者は、お礼をするべきか？考えてみてください。